[]中学時代の恩師の思い出。

あれは中学に入って初めての理科の授業。担当は学年主任の女性教諭。


黒板には、「地球上で一番小さい生物は何か?」はい、はい、と始めは多くの生徒が挙手し、アリ、などと答えていたよう。でも違います、と先生に言われて挙がる手も減り、ついに誰も手を挙げなくなった。


するとその先生は、私に手を挙げるように言ったのだ。立ち上がった私は、「菌、です。コレラ菌などの…。」


先生は私が回答できると知ってたのかどうか。


大げさに目を丸くして、「よく知ってますねぇー!」とリアクションしてくださった。 「そう!答えは、細菌です。」


以後の学校生活で、いじめられながらも意気揚々と楽しく学年ナンバー1をやっていけたのは、ひとえにこの先生のおかげ。臆することなく、どの授業でも1人挙手するようになった。


それから今は、菌を扱う仕事をしてるんだからねぇ。


ちなみに、中学に入る時は「耳の聞こえない生徒の受け入れは前例がない」と家の目の前にある中学から断られました。そこを交渉。その席にいたのが、校長、教頭と先ほどの学年主任でした。


この先生、私のためかどうか、朝の話も全部、無言で黒板の端から端まで書いてくださったの。教室にいる他の生徒と同じタイミングで内容を知ることができるのは本当に嬉しいことなんです。ここまでしてくださったのは、後にも先にもこの先生だけ。ありがとうございます!!